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2019/08/24

見積り中…





岡崎市内で計画中の住宅。床面積30坪強の平屋です。

平屋は当然ながら建物全体が地面に近い計画となるので
外部を上手に取り込んだ計画とすれば、
それほど大きな床面積でなくても広々と開放感ある空間を造る事ができます。
開放感があるという事はプライバシーをどう考えるかも重要ですね。


性能面でいくと地震力や風圧力には強くなりますが
断熱性能は外皮(外気に触れる面積)が大きくなる分、不利になりがち。
バランスをみた設計力が求められます。

見積りイメージは出来ていますが、さて実際おいくらになるか。。

2019/08/23

表情と質感






表情・質感のある材料が好きです。

その色味や、自然光の反射具合、ぼやけ方。
ふわりとした柔らかな光に包まれるような空間をデザインしたいと常々考えています。


この頃、築60~70年くらいの建物現況調査に行くことがあります。
建主さんは当然80歳を超える方ばかりで、調査の合間に当時の話をしてくれたり
良い建物の見分け方や、職人技が光る部分を教えてくれたりします。
もちろん建物に愛着を持っているから、メンテナンスが行き届いており
より深い味わいのある表情になっています。







昨今は建物の機能や性能だけに焦点が当てられがちです。
しかしそれだけでは建物はただの道具です。
より新しくて、性能の良い道具が出てこれば途端に愛着をなくしてしまします。

80歳になっても愛着の持てる、誇れる建物を設計すべきと考えます。
そんな建物こそが、本当の意味で長く使える建物なのでしょう。

耐震等級、断熱等性能等級、劣化対策等級などいろいろありますが
【全くもってそんなことは当たり前の事】として、
新しい、いや元々ある価値観を再考してみてはどうでしょうか?


写真は全て富士山世界遺産センターにある挟土秀平氏による左官造形作品。
左官は楽しい。土の表情をいろいろ試したい。

2019/08/22

常滑の家の上棟





常滑の家、上棟しました。

今回からBIMを導入し、設計段階から三次元で構造検討を行っていたので
棟梁さん、プレカット設計さんとの詳細打合せもスムーズ、
現場の難しい部分も問題なく組みあがりました。

屋根の形状が特徴的な建物で、正面の軒庇は1.3M以上のはね出し。
屋根を大きく、けれど薄くスリムに見せながら
構造強度を確保しつつ、雨仕舞いもしっかりとメンテナンス性も良く。
外壁や木製玄関ドアと窓の痛みも和らげます。







屋根に包まれる、という感覚が私は好きなのですが、
大きな屋根は色々な知識や経験があって初めて【問題なく】形造られるのは
決して忘れてはいけません。


一日の作業が終わったところで、この軒庇の上をみなで歩いて
遠く、海と空を眺めるのでした。
ほとんど同じ風景を見られる部屋がありますが、ここからは今日だけ。

非常に蒸し暑い一日でしたが、事故なく進めることができホッと一息です。

2019/08/19

土壁再考・現代版






住宅の壁、土壁です。少し前に新築しました。

これは荒壁、竹小舞に土を塗りつけた状態です。
この上に中塗、仕上と塗り重ねていくのですが、
土の種類や配合、塗り方によって色々な表情を作ることができます。

近頃ヨーロッパではファッションとして土壁が見直されている、
な~んて話も聞きます。






今回意匠的には中塗りを精度良く施工するくらいのプレーンな仕上げとし、
どちらかというと建物の省エネ性能向上をメインとしました。すなわち、

  • 調湿性能の向上による体感温度の調整
  • 土の比熱を利用し、室内温度の変化を緩やかに

昨今の日本は亜熱帯化し、機械による環境制御なしでは
健全に生活を送ることが難しくなってきたように思います。

その上でより良い生活環境を考えますと、
機械に頼りながらも、コントロールが難しい部分は自然素材に頼る、
というのがベストではないかと思います。






ただし工業ラインという枠組から外れた職人仕事は数値化が難しく、
良いとわかっていてもあらゆる制度に乗せにくいため、業界では敬遠されがちです。

限界耐力計算然り、扱いが難解でも確実に良いものがあるわけですから、
それこそ技術者(エンジニア)建築士がもっと扱っていけば良いのに。


ということでデザインだけが建築士・設計士の仕事ではないと考えています。
カタログショッピングではない、
本質としてのエンジニアリングとデザインの融合が求められていると感じています。

2019/08/18

New Item





事務所に新しいアイテムが増えました。
今は無き旧西ドイツ製・Fat Lava のフラワーベースです。
植えられているのはカヅラ系かな?調べたけど忘れました。


仕入先は8年ほど前から通っている浜松のセレクトショップ・ラーナーズさん。


うちにある家具や小物は殆どがここで買い揃えたものですが、
とにかくまあ、ご主人のセンスが良い。
面白いものないかな〜くらいな感じでフラッとお店に立寄って
その時の感覚に任せて購入といったパターンが多く、かつ思い返すと打率が高い。

またアイテムの説明を聞いたり、いろいろ雑談したりするのも楽しみの一つです。
そこから自分の知らない新しい世界に接続できるし。






接続というと、最近はインターネットで買い物する事が圧倒的に増えました。
が、どうしても自発的なアプローチになってしまい、
偶発的な出会いや新しい発見に繋がりにくいように感じます。

もしかしたら、ネットへの繋がり方が下手なだけかも知れませんが
やはり私は個人のセンスが光るセレクトショップという構成が大好きで。

自分の趣味趣向だけでは辿り着けない、偶発性やある種の【エラー】の先にある、
またそれが人間らしさでもあるようにも思います。


とか考えていたら、あれ?今後VRが進化したりして、
意外と返って個人の感性に遠方からでもアクセス出来るようになったりするのか。
ただ単に今はまだネット世界が中途半端な状態なだけなのかも、なんて思ったり。

2019/08/17

古建築の調査






少し前になりますが、愛知県岡崎市にある【龍城(たつき)温泉】の
実地および、文献調査を行いました。
現状、跡を継ぐ方がおらず、また3代目ご夫婦が高齢になられ
存続が難しくなってきたと聞いたためです。

レトロ銭湯として名の知れたこの建物は、大正末期に建築され
その後若干の改修跡はあるものの、殆ど当時の趣を残しています。


東京の大黒湯や京都にある藤ノ森温泉(現在はさらさ西陣)など
銭湯文化の集大成とも言える建物に比べると
決して華やかな意匠が見られるわけではありませんが、
いわゆる街場の大衆銭湯文化が爆発した時代に建築され
なおかつ、今なお現役で薪焚きの湯に浸かれる数少ない銭湯です。








このような文化的価値のある【古建築】は探せば意外とあるものですが
どれも維持存続が難しく、そのほとんどが解体を待っているような状態です。
やたらめったら残す必要は無いと思いますが、
既にランドマーク化しているものは選別し活用できる道(用途を変えたり)
を、作るのもと良いと考え活動しています。

その際、文化的価値を失わない超専門的な改修設計、修繕は必要となりますが
現代では新築再現が難しいこのような建物は
【今そこにあるマチの宝物】と考えれば、これはもう使わない手はないわけで。

だって文化的価値というブランドが既に出来上がっていて、
認知されていて、しかも既に使われているのですから。







さて、今回調査した内容をまとめた資料を龍城温泉に置かせて頂きました。
立ち寄った際は是非お手に取って一読ください。
どの街にもきっと一つはある古建築が、愛おしく見えてくるかもしれません。

そしてもし龍城温泉のようにたくさんの人に愛されている趣ある建物があったのなら
是非私達に教えてください。
それは、使い方次第ではまさに【マチの宝物】になるはずですから。

2019/08/15

BIM導入





今回のプロジェクトからアーキキャド(グラフィソフト社)
というBIMソフトを導入しました。
業界に浸透するのはまだ先な気もしますが早めにということで。
いざ使ってみるとなかなか面白いものです。

と言っても完全に使いこなしているわけでは全くもってなく。
着工に間に合わせるために、結局半分は2DCADで描いてしまいましたから。。


まぁそれはともかく、作図検討・トライアンドエラーの精度が
目に見えて向上したのは事実であり大きな収穫。
設計事務所なんてものは、自社データをどれだけ密度濃く、
かつスピーディに蓄積・ブラッシュアップしていけるかだと考えているので
遅かれ早かれBIMの導入は必須なわけです。

さて、今回一件の木造住宅を一通り(一部除く)アーキキャドで設計してみて、
いくつかの課題が見えてきました。
下記に今現在思う課題を列記してみます。



  1. BIMとして機能させるには個々のパーツの情報量が圧倒的に不足している。
  2. 現状の使い方では3DCADを超えていない。
  3. 雛形パーツやレイヤーがとめどなく増えていく。


1、について例えば躯体パーツについて、現状は構造部材であるか非構造部材であるか
の二択でしかなく、材種や等級は設定できていない。
詳細に情報を設定出来れば積算資料くらいは自動計算できるところまでいけるはず。
まず今回は基本だけど構造部材のみをハイライト表示までできた。
徐々に情報を蓄積しつつ、表計算の雛形を作成しよう。
当面の目標はプロジェクトごとの使用木材積を自動計算出来るようにしたい。

2、というよりCAD的な使い方をしてしまっていると言った方が正しい。
モデリングデータをある部分でスライスして2D紙面に落とし込む事に意識がいきすぎ、
一枚一枚の図面密度を、それぞれのカットシーン毎に詰めていってしまった。
パーツに連動した情報ラベルは、設計変更と共に自動修正されるが、
個別に作図した部分はデータが修正されず残る事になってしまう。
本来BIMの良いところは全てのデータがリンクすることであるから、
一つの図面毎にまとめてしまうのではなく、個々をリンク・索引させるのが正しい。
図面に落とし込まれた記号・番号から詳細情報を索引する流れを作るのが次の目標。
そう言えば使い込んでいる方や、海外の設計事務所はそういう使い方をしていたなぁ。

3、については、あまりに増えすぎた雛形は結局使い辛いので、
これは取捨選択を随時行ってカスタムしていく。






さてさて、次はどんな感じになるのでしょうか。

とりあえず、2DCADに逃げたいくつかの図面をBIM側に移行するのは最低限の目標、
少しずつ私自身が考える設計の根拠となるデータを取れるように準備、準備。