少し前になりますが、愛知県岡崎市にある【龍城(たつき)温泉】の
実地および、文献調査を行いました。
現状、跡を継ぐ方がおらず、また3代目ご夫婦が高齢になられ
存続が難しくなってきたと聞いたためです。
レトロ銭湯として名の知れたこの建物は、大正末期に建築され
その後若干の改修跡はあるものの、殆ど当時の趣を残しています。
東京の大黒湯や京都にある藤ノ森温泉(現在はさらさ西陣)など
銭湯文化の集大成とも言える建物に比べると
決して華やかな意匠が見られるわけではありませんが、
いわゆる街場の大衆銭湯文化が爆発した時代に建築され
なおかつ、今なお現役で薪焚きの湯に浸かれる数少ない銭湯です。
このような文化的価値のある【古建築】は探せば意外とあるものですが
どれも維持存続が難しく、そのほとんどが解体を待っているような状態です。
やたらめったら残す必要は無いと思いますが、
既にランドマーク化しているものは選別し活用できる道(用途を変えたり)
を、作るのもと良いと考え活動しています。
その際、文化的価値を失わない超専門的な改修設計、修繕は必要となりますが
現代では新築再現が難しいこのような建物は
【今そこにあるマチの宝物】と考えれば、これはもう使わない手はないわけで。
だって文化的価値というブランドが既に出来上がっていて、
認知されていて、しかも既に使われているのですから。
さて、今回調査した内容をまとめた資料を龍城温泉に置かせて頂きました。
立ち寄った際は是非お手に取って一読ください。
どの街にもきっと一つはある古建築が、愛おしく見えてくるかもしれません。
そしてもし龍城温泉のようにたくさんの人に愛されている趣ある建物があったのなら
是非私達に教えてください。
それは、使い方次第ではまさに【マチの宝物】になるはずですから。